入院・手術について
ABOUT HOSPITALIZATION AND SURGERY
動物にやさしい入院管理、手術を心がけています。
人間の医療と同様に、動物も大きな病気になってしまうことがあります。 動物のストレスを考慮して、当院では基本的には通院治療を行う方針ですが、食欲不振や嘔吐で内服ができなかったり点滴が必要になるなど、入院が必要になることがあります。 また、腫瘍ができてしまった場合などで内科治療では改善が見込めない時は、手術が適応となることもあります。 病院に預けることや手術には不安がある方もいらっしゃるかと思いますが、治療が遅れるとさらに重症化してしまったり、命に関わる状態になってしまうこともあります。
当院では、イヌ・ネコ・小動物の入院空間を分けることで、できる限り入院中のストレスを軽減するよう心がけており、手術では少しでも痛みを軽減することに力を入れています。 手術の痛みが強くなると予想される場合は、積極的に痛みを抑える力が強い鎮痛剤を使用しながら手術を行い、術後の疼痛管理も同時に実施しています。疼痛をコントロールすることでなるべく早い退院を目指し、動物たちの心と身体への負担を少しでも軽くしてあげられるよう努めています。
動物が安心できるのは、飼い主さまと住み慣れた環境にいることです。 当院では、動物のストレスを考慮し、できる限り通院治療で治療を行うことでお家にいる時間を長くしてあげたいと考えています。 しかし、病気によっては酸素濃度を高めた環境が必要であったり、嘔吐で薬が飲めない場合や、飼い主さまのご都合で通院治療が困難な時などに入院を提案させていただくことがあります。 入院治療を受ける動物のストレスを少しでも軽減できるよう、入院場所はイヌ・ネコ・小動物・小鳥で分かれた場所になっています。
- 病状説明を行い、入院治療に同意いただいた後、同意書に署名、緊急連絡先の記入をしていただきます。入院中急変する可能性や治療内容についてご相談させていただくこともありますので、必ず飼い主さまに繋がる連絡先をご記入ください。
- 動物健康保険に加入されている方は、必ず保険証の提示をお願いします。保険証がない場合、保険適応できないのでご注意ください。
- アレルギーや当院以外で処方されている薬やサプリメントがある場合は、必ずお伝えください。
- その他、特別な性格や食事の好みがある場合は、お気軽にお伝えください。可能な限り対応させていただきます。
- 小動物は特にストレスに弱いため、明らかに状態が悪く、入院の可能性がありそうな場合は、なるべくいつもご使用のケージや食事をご持参ください。
- 病状説明を行い、入院治療に同意いただいた後、同意書に署名、緊急連絡先の記入をしていただきます。入院中急変する可能性や治療内容についてご相談させていただくこともありますので、必ず飼い主さまに繋がる連絡先をご記入ください。
- 動物健康保険に加入されている方は、必ず保険証の提示をお願いします。保険証がない場合、保険適応できないのでご注意ください。
- アレルギーや当院以外で処方されている薬やサプリメントがある場合は、必ずお伝えください。
- その他、特別な性格や食事の好みがある場合は、お気軽にお伝えください。可能な限り対応させていただきます。
- 小動物は特にストレスに弱いため、明らかに状態が悪く、入院の可能性がありそうな場合は、なるべくいつもご使用のケージや食事をご持参ください。
入院生活
- ストレスを感じやすい動物にとって、他種と同じ空間にいることはそれ自体が食欲低下の原因になったり、排泄を我慢してしまったりする原因となりますので、当院では、こうしたストレスの緩和のために、入院場所はイヌ・ネコ・小動物で分かれています。
- 緊急疾患の場合は、酸素濃度、温度湿度管理が可能なICUケージで集中治療を行うこともあります。
- 小動物は体温維持のために高温管理が必要なこともありますが、小動物の入院場所も酸素濃度を上げたり温室として使用することができるため、必要に応じて適切な環境での治療が可能です。
イヌの入院室
ネコの入院室
小動物の入院室
ICU(集中治療室)
入院室にお持ちいただけるもの
ご自宅で使っている匂いの付いたタオルや、お気に入りのおもちゃなど、動物が安心できる物をお持ちいただくことも可能ですので、必ず名前を記載して、入院時にご持参ください。
イヌ・ネコ
病気に合わせて食事を変える必要があり、様々な処方食がありますので、当院では、入院中の動物にあった食事をこちらでご用意しております。 しかし、急に処方食を与えても食べないことも多くあり、普段の食べ慣れた食事であれば食べるということがよくありますので、食事制限のない場合や、食欲がない時は、いつもの食事を持ってきていただくようお願いすることがあります。ウサギなどの小動物・小鳥・爬虫類
当院でも最低限のフードは用意していますが、小動物は特に普段のものから急に変わると食べなくなることが多いため、基本的にフードは食べ慣れたものを持参していただくようお願いしております。
- 面会に予約や事前連絡は必要ありません。
- 診察日の診察時間内であれば、いつでも会いにきてあげてください。外来が混み合っている際は、獣医師による説明をお待たせしてしまったり、対応が難しいことがあります。
- 手術の直後や、安静が必要な場合は、面会を控えていただくこともありますので、ご理解いただきますようお願いします。
- ご都合が悪く面会に来られない場合は、診察時間内にご連絡をいただければ、病状や様子をご報告させていただきます。
- 退院の日程について、面会時やお電話でご相談させていただいております。
簡単に手術の流れをご紹介いたします。
Step 1術前検査
全く健康に見えていても、実は心臓疾患がある、肝臓の数値が高いなど、検査をしてみると異常が見つかることもありますので、当院では、麻酔のリスクの程度を手術前にできる限り把握するため、手術の前に一度受診していただき、術前検査を行っています。 小動物は血液検査が十分にできなかったりすることもありますが、身体検査や問診、聴診、レントゲン検査などをできる限り行い、麻酔のリスク評価を行います。
Step 2手術の説明とご予約
術前検査で問題ないと判断されたら、手術の内容やリスク、考えうる合併症などについてご説明します。同意いただきましたら、手術可能な日程をご案内致しますので、ご都合の良い日にご予約を入れさせていただきます。
Step 3手術の前日・当日
・イヌ
・ネコ
手術前日
特に特別な指示がなければ、通常通りの食事を与えていただいて結構です。食事とお水はいつもの時間に与えていただき、飼い主さまが就寝される頃に食事が残っている場合は取り除いて、その後は食べないようにしてください。
手術当日
朝お目覚めになられましたら、お水を取り除いてください。
食事は与えず、朝11時までにはご来院いただき受診してください。
ご飯を食べてしまうと、手術が延期になることがあります。
緊張してケージから出てこないこともありますので、可能な限り上部が開くケージに入れてご来院ください。
ネコちゃんの場合は、洗濯ネットなどの柔らかいネットに入れてきていただけるとお預かりがスムーズです。
・ウサギ
・小動物
手術前日・当日
指示がなければ、前日・当日とも通常の食事、飲水を続けていただいて構いません。遠方から受診される場合は、温度管理に気をつけて受診してください。
手術当日は朝11時までにご来院ください。
普段食べている食事やおやつをご持参ください
ご来院いただきましたら、通常通り受付を済ませていただき待合室でお待ちください。
できる限り早めにお呼びし、お預かりさせていただきますが、他の外来の状況によってはお待たせしてしますことがあります。
その後、診察室で身体検査や問診を行なった後、全身麻酔と手術に関しての同意書をご記入いただきます。ご記入後は受付に同意書をお渡ししていただき、飼い主さまはお家でお待ちください。お会計は退院時になります。
手術は基本、午前の診察が終了後に行いますが、急遽急患の処置が必要な場合など、緊急度によっては手術の延期をお願いする可能性があります。その際はご連絡させていただきますので、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
手術が問題なく終わり、麻酔の覚醒も良好な場合は、こちらからご連絡することはありませんが、術中や術後の異常が見られた場合はすぐにご連絡しますので、電話は必ず繋がるようにしておいてください。
Step 4手術後
麻酔の醒めがよく、日帰り手術の場合は17時~18時ごろの退院が可能です。
麻酔の醒めが悪い場合など、入院で経過をみる必要があると判断された場合は、日帰り手術の予定でも入院になることがあります。その場合はこちらからご連絡させていただきます。
Step 5退院時
退院後は、抗生剤や痛み止めなどを処方し(基本は錠剤や粉薬、液体)、ご自宅で飲んでいただくことが多いので、飲み方などのご説明をいたします。
退院後、傷口をなめてしまったりすると、傷が開いてしまうなどトラブルが起こることがあります。通常は、傷を舐められないように服を着せてお返ししますが、傷口を覆うことが難しい場合などは、エリザベスカラーをしてもらうことがあります。
Step 6傷のチェック・抜糸
術後は、傷が化膿してしまったり、漿液(しょうえき)が溜まったりするトラブルが起こることがあります。そういったトラブルを早期に発見して対応できるよう、術後3〜5日程度で一度受診していただき、診察させていただきます。
その後、傷が問題なければ、傷のチェックから1週間から10日程度で再度傷チェックを行い、必要であれば抜糸をします。傷の治り具合によっては抜糸を少し延期することもあります。
※基本は上記の流れになりますが、手術の内容によって変化することはあります。 外猫で抜糸に来られない、捕まえられない、内服が飲めないなど、動物の協力が得られない場合もあるかと思います。そんな場合でも、できる限り良い方法を提案させていただきますのでご相談ください。
避妊手術と去勢手術は、イヌ・ネコでは一般的に行われている手術です。
決してリスクの高い手術ではありませんし、通常日帰り手術が可能です。しかし、全身麻酔で行う手術であることから、100%の安全を保障できるものではありません。
通常は健康な動物に行うことになるため、手術をためらわれる飼い主さまもおられます。しかし、手術を行うことで、将来高齢になった時に発生しやすい病気を防げたり、発生リスクを極めて低く抑えられる病気があるのも事実です。
子宮蓄膿症・卵巣腫瘍・精巣腫瘍などは、避妊・去勢手術をすることで防ぐことができ、乳腺腫瘍は、放っておくと命に関わるため、若いうちに避妊手術をすることで発生頻度を抑えられるとされています。
これらの病気は中高齢に発生しやすく、病気がわかって治療を考えた時に、心臓病や腎臓病が先に持病で発生していたりして、麻酔の負担が大きくなったり、全身麻酔のリスクが高い状態になっているということも多く経験しますので、早期に避妊手術をしてあげることで、発生率を極めて低く抑えてあげられます。
ウサギさんの場合の注意点
ウサギさんの場合、全身麻酔のリスクがイヌやネコよりも高いとされています。
基本的には入院ストレスによる拒食というリスクがあるため、日帰りの手術を推奨していますが、術後も数日は食欲の状態が安定しないことがあるため、術後の通院をお願いすることがあります。
最初にリスクの話をしましたので、避妊手術、去勢手術をするべきか悩まれる方も多いかと思います。しかし、メスのウサギは、中高齢になると子宮疾患が多発し、命に関わることも珍しくありませんし、オスのウサギでも、マーキングの抑制や、高齢で発生しやすい精巣腫瘍の予防になります。
手術自体はイヌ・ネコと大きく違いはありませんので、麻酔時間が極端に長くなるようなことはありません。高齢で状態が悪い状況で手術をするよりも、健康で若いうちの手術の方が麻酔や手術のリスクは低くなります。
よくご検討いただきご不明な点があればご相談ください。